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【専門家が警告】無駄なコストを削る業務用エアコンの賢い選び方

設備担当者様、店舗・ビルオーナー様へ。業務用エアコンの入れ替えや新規導入の際、「念のため大きいものにしておこう」「最新の高性能機種なら安心だろう」と考えるのは自然なことです。しかし、その「安心」が、実は過剰設備(オーバースペック)となり、初期投資とランニングコストを無駄に押し上げているケースが多発しています。

プロの設計士の視点で見ると、本来不要な機能や能力に費用を投じることで、結果として交換時期を迎えようとしているお客様のコスト負担が不必要に増大しています。

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この記事では、エアコンの専門家が指摘する「過剰な設備設計」の具体的な事例と、不要なコストを削減するための機種選定の鉄則を解説します。この記事を読むことで、貴社の業務用エアコン計画が適正化され、耐用年数を通じたコスト効率が大幅に改善されます。

 


〜過剰な能力(オーバースペック)設計の落とし穴〜

必要以上に能力の高い業務用エアコンが設置される「過剰設計」は、初期費用だけでなく、長期的なランニングコストにも影響を及ぼす最大の無駄の一つです。

過剰設計が起こる背景とデメリット

  • 設計側の心理:

メーカーの提示する余裕を持った設計(積算)に対して、設計側が「お客様から『効かない』と言われたくない」という懸念から、さらに安全を見て能力を上乗せする連鎖が原因です。その結果、本来必要な能力の1.5倍以上のエアコンが設置されることが珍しくありません。

  • コストの増大:

単純に初期投資額(機械代)が大きくなるだけでなく、能力に見合った電力量の契約が必要となり、使っていない分までランニングコストとして負担することになります。安心感を得るにはコストが高すぎると言えます。

  • 冬場の過剰対応:

年に数回しかない極端に寒い時期(気温が氷点下になる深夜など)の暖房の利きにくさを回避するために、過剰に大きなエアコンを導入するケースがありますが、これはコストに見合う対策とは言えません。

 


〜設置場所の特性を無視した機種選定のリスク〜

場所や用途に合わない高性能機種や非効率な設置方法を選ぶと、初期費用が高くなるだけでなく、空調効率が低下し、電気代の無駄につながります。

  • ビル用マルチエアコンの誤った使用

壁を撤去して大空間になったオフィスなど、本来はより安価な「パッケージエアコン」で対応できる場所にもかかわらず、ビル用マルチエアコンが継続して設置されているケースがあります。ビル用マルチエアコンはパッケージエアコンよりも機種代が2〜3割高いことが多く、特に個別管理が不要な広い空間では過剰な設備と言えます。現在の設置状況を確認し、パッケージエアコンへの切り替えが可能か検討することで、導入費用を大きく抑えることができます。

  • 不要な「冷暖フリーエアコン」の導入

同一の室外機で、室内機ごとに冷房と暖房を同時に使える「冷暖フリーエアコン」は、機器代と配管コストが高くなります。病院など特定の用途を除き、一つの空間内で冷房と暖房を同時に使う必要性はほとんどありません。通常のマルチエアコンやパッケージエアコンの組み合わせで温度調整が可能です。不必要な高グレード機能は、そのまま無駄なコストになります。

  • 使用頻度の低い場所への高効率機の導入

超省エネエアコンは高性能ですが、機械自体の価格も高額です。会議室や倉庫など、一日の使用時間が短い部屋に超省エネエアコンを導入しても、省エネ効果が初期投資の費用を回収するのに必要な耐用年数を超えてしまい、経済的なメリットがありません。使用頻度の高い場所には超省エネ機種を、使用頻度の低い場所には通常の機種を選ぶといったメリハリのある選定が必要です。

 


〜設置場所と機種選定の不一致による非効率〜

設置の際に、建物の形状や利用実態に合わない機種を選んでしまうと、空調の利きが悪くなり、設定温度を下げることでさらに電気代を浪費してしまいます。

  • 室内機同士の過度な密集

広い空間で「風を感じさせずに快適にしたい」という意図から、室内機(天井カセットエアコンなど)を狭いピッチで多数設置する設計が見られます。しかし、室内機同士が近すぎると、排出された冷気を別のエアコンが吸い込み、「部屋が冷えている」と誤検知してしまうことがあります。その結果、希望の温度まで冷え込まず、運転時間が長くなり非効率です。室内機の台数を減らし、一台あたりの容量を大きくする方が効率的です。

  • 高天井の工場や倉庫へのカセット型設置

天井が非常に高い工場や倉庫に、天井カセット型の業務用エアコンを設置しても、人のいる作業空間まで風が届かず、効率的に冷やせません。また、高い位置での配管や機械の吊り込み作業自体にも大きなコストがかかります。このような場所では、床置き型や壁際の天井吊り型のエアコンを選んだり、空間全体ではなく人がいる場所だけを冷やすスポットクーラーなどの極所冷房を検討する方が、コストと効果の両面で優れています。床置き型はメンテナンス(フィルター清掃)が容易というメリットもあります。

 


〜まとめ〜

業務用エアコンの導入や交換時期の判断においては、目先の安心感や高性能に惑わされず、「本当にその機能が必要か」「設置場所に適しているか」を冷静に判断することが重要です。

コストを削減し、効率を高めるための確認事項

  • 適正能力の確認

現在の設置能力が、本来必要な能力の1.2倍程度の余裕に収まっているかを確認しましょう。過剰なオーバースペックは避けましょう。

  • 用途と機種の合致

個室管理が不要な大空間では、高額なビル用マルチエアコンではなく、パッケージエアコンへの切り替えを検討しましょう。

  • 使用頻度による使い分け

使用時間の少ない会議室などには、高価な超省エネエアコンを導入せず、費用対効果を優先しましょう。

  • 適切な設置方法

工場などの高天井空間では、天井カセット型ではなく、床置き型やスポットクーラーなど、人のいる空間に直接風が届く機種を選びましょう。

これらのポイントを見直すことで、無駄な初期投資を削減し、耐用年数を通じた電気代のコスト効率を最大化することができます。